金具による扉のキズについて

お仏壇の修理に携わっている者であれば、お仏壇のキズの位置(場所)を見ただけで

「あら。またこのキズなのね」

と思うことがしばしばあるのですが、今回は扉のキズについて1つ2つ。

障子の金具によるキズ

お仏壇の扉類は、扉(外側の扉:雨戸)と障子(内側の扉)の2種類で構成されているのですが(障子のないものもあります)、このうち外側の扉の裏面のキズは、障子の金具に原因がある場合があります。

ここでいう『扉の裏面』とは扉を開いたときに見える面で、金仏壇であれば金箔や蒔絵が施されている面のことです。

障子には大概、開閉をする際につまむための金具が取り付けてあるのですが、この金具を扉の裏面にぶつけてしまうとキズがつきます。

金具の取り付け位置にもよりぶつけてしまう原因は異なるのですが、

  • 扉を閉める際にバタン、ガシャンと乱暴にしている
  • 障子のつまみ金具が立って(起きて)いる

と確実に扉にキズがつきます。

2つ目の『つまみ金具が立っている』というのはわかりにくいかと思いますが、例えば高岡仏壇で多く使用されているつまみ金具では、つまむ箇所は通常ぶらんぶらんと垂れ下っています。

ところが、障子を閉めるときにこの金具が垂れ下らずに垂直になったままになることがあります。

そのときに扉を閉じると、この金具が扉にあたることでキズがついてしまうわけです。

扉を閉じる際には、力の入れ具合と障子のつまみ金具には十分ご注意ください。

扉のかんぬきによるキズ

かんぬきはご存知のとおり、閉じた左右の扉が開かないようにするためのもので、左右にスライドさせて使用します。

そして、かんぬきは通常右側の扉に取り付けてあるのですが

  • かんぬきが出たまま
  • 左右の扉を同時に閉じる

と左側扉の側面にかんぬきがあたり、その部分が凹んでしまいます。

障子にもかんぬきが取り付けてあるお仏壇もありますので、かんぬきがあたっていないかどうか確認したうえで、扉や障子を閉じてくださいね。

また、扉を開ける際にかんぬきがあたることにより、仏間扉のふすまが破れてしまっているものもときどき見かけます。

同様にご注意くださいませ。

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仏檀修理アドバイザー



富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。

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