お仏壇のキズ補修
お仏壇を毎日使用していると、スリキズがつくのは仕方のないことだと思います。
…が、深いキズ(下地や木地が見えている)の場合、特に花立の近くにそのキズがある と、そこへ水がしみ込み周辺の塗料をはがしてキズが徐々に広がっていきます。
例えば、「ゆでたまご」を思い浮かべてみてください。
卵の殻が少しだけ割れている状態では、それほど大したことのないように思えても少しずつ殻をむいていくと、最初はひび割れ程度であったのにある時点でペリペリっと広い範囲に広がっていきますよね。
お仏壇の塗料も、はじめは小さなキズであったものがこのような感じではがれていくと考えてください。
今日のような化学塗料がない時代に漆で仕上げられたお仏壇であっても、多くのものは膠(にかわ)を使用した仏師地(ぶっしじ)と呼ばれる下地が施されており、この下地は水分に強くないため花立やコップの水がキズのある箇所にこぼれるとそこからキズが広がっていきます。
そうなる前に、目立つ大きなキズだけでも補修をしておきたいですね。
また、こんなところ(下図参照)にキズがある場合、建付けが悪くなっている可能性がありますので、キズ補修の前に建付調整が必要となります。
⇒ 建付調整
そうしないと、いくらキズを直してもまた同じ所にキズがついてしまいますよ。
扉が下がっているのに開閉を繰り返すと、こんなところにキズが…。 |
扉や障子が下がっているのに開閉を繰り返すと、こんなところにキズが…。 (青で囲まれた箇所) 同様に、無理な力で開閉を繰り返すと、こんなところの金具が壊れて…。 (赤で囲まれた箇所) |
障子が下がっているのに開閉を繰り返すと、こんなところにキズが…。 (青で囲まれた箇所) |
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仏檀修理アドバイザー
富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。
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