お仏壇の建付調整
お仏壇の扉の開閉時に、
「なんでこんなに扉が閉まりにくいのよっ!」
と思ったことはありませんか。
もし「思ったことがある」という場合、お仏壇のこのあたり(下図の青色・赤色箇所)を1度見てみてください。
扉が下がっているのに開閉を繰り返すと、こんなところにキズが…。 (青で囲まれた箇所) 同様に、無理な力で開閉を繰り返すと、こんなところの金具が壊れて…。 (赤で囲まれた箇所) |
扉や障子が下がっているのに開閉を繰り返すと、こんなところにキズが…。 (青で囲まれた箇所) 同様に、無理な力で開閉を繰り返すと、こんなところの金具が壊れて…。 (赤で囲まれた箇所) |
障子が下がっているのに開閉を繰り返すと、こんなところにキズが…。 (青で囲まれた箇所) |
扉が閉まりにくい原因のほどんどは、上図の青や赤で囲まれた箇所のように、開閉時に扉とお仏壇本体がぶつかっている場合や金具(蝶番)が破損している場合です。塗装面や金具(蝶番)が傷んでいるようなら、すぐに建付調整が必要になります。そうしないと、ますます状態が悪くなっていきますよ。
まだ何ともないようであれば傷み始める前に建付けの点検(必要なら調整)をしておけばこれからも安心してお使いいただけるでしょう。
経験上、特に建付調整が必要なのは
・古いお仏壇
・大きなお仏壇
です。
まず、「古いお仏壇」ですが、今のお仏壇と比べると、昔の木地屋の職人さんの仕事は木地の寸法が"キッチリ"としているものが多くみられます。
そのため、お仏壇本体と扉との隙間がほとんどなく、お仏壇のちょっとした傾きの具合により扉の上や下がお仏壇本体にぶつかり、扉や本体それぞれの塗装面にキズがつくことの原因となります。
また、「大きなお仏壇」は当然扉も大きく重いです。
この重さのため、ある程度年数を経ると蝶番がすり減ったり、釘の抜けやゆるみにより扉が下がってきて、先ほどから述べているような不具合がおこります。
詳しくは、コラム「あなたのお仏壇の蝶番は大丈夫ですか?」をご覧ください。
どのようなお仏壇でも、お取り扱い方によっては蝶番の破損等により不都合がでてくるものですが、もうすでに、
「なんでこんなに扉が閉まりにくいのよっ!」
という状態であれば、できるだけ早くお近くの仏壇屋さんに点検だけでもお願いしてみてください。後々、余計な出費をしないためにも。
お仏壇の横に置かれていた何年も外れていた扉(!!)を、「取り付けてくれ」と、仕事をいただくのは大変嬉しいことですが、ちょっと悲しくなってしまいます。
できれば、そうなる前に…。
ちょっとひとこと
お仏壇の扉や障子を取り付けるための蝶番には4分(1.2cm)~6分(1.8cm)の長さの釘がよく使用されていますが、扉等の重みやお仏壇のお取り扱い方により、年数が経つとスムーズに 開閉できなくなります。
扉等を閉めるときに、「よいしょっ」と持ち上げ気味にしなければ閉まらないことや「なんだか開閉しにくいなぁ」と感じたときは、できるだけ早く「建付調整」をして、気持ち良く安心してお仏壇をご使用下さい。
また、お仏壇の傾きなどが原因の場合は、建付調整をしなくても不具合を直せる場合もあります。
関連項目
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仏檀修理アドバイザー
富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。
当サイトがお仏壇の修理や取り扱いに関することなどでお悩みのあなたのお力になることができれば幸いです。
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