お仏壇の扉が勝手に閉まるんだけど…
お仏壇の扉が勝手に閉まったり、開いたりするのは時々見かけますが、決して
"自動扉のお仏壇"
ではありません。
この原因はいくつか考えられますが、ここでは4つ取り上げてみましょう。
1.床の傾き
2.お仏壇の傾き
3.素材の反り
4.金具(蝶番)の取付け不良
1.床の傾き
仏間の床が水平になっていない場合に、お仏壇の扉がスーッと閉じる(開く)ことがありますが、単独ではなく他の要因と重なることによってお仏壇に影響を与えることの方が多いようです。
2.お仏壇の傾き
先の「床の傾き」に比べると、こちらの要因による場合の方が多いでしょう。お仏壇の傾きが起きる理由としては
- 木材加工時の寸法の誤差
- 構造上のぐらつき(お仏壇の外側を押すとグラグラするでしょ)
などが考えられ、このお仏壇の傾きは程度が大きい小さいはありますが、完全には取り除けないものです。
ですから納品時やお引越しなどの移動時には、お仏壇の下に薄い板などを敷いて微調整することにより傾きをなくします。
3.素材の反り
これは古いお仏壇ほど多く見られます。
本来、扉や柱やその他の部品は真っ直ぐな板や桟で造られていますが、年数の経過によって木材が乾燥し一定の方向に反っていきます。
この反りがある程度大きくなると、一種のバネのような働きを持つことにより(弓矢の弓を想像してみてください)その力がお仏壇本体と扉をつないでいる蝶番に伝わり、扉が勝手に閉じる(開く)こととなります。
この対処方法は、扉や柱を真っ直ぐなものに取り替えるか、蝶番の取付けを調整することによって直せます。
前者はかなり大掛かりな修理になりますが、今後も安心してご使用いただけます。後者は応急的な処置で、長い目で見ると蝶番に無理がかかりいづれ破損することも十分考えられます。
4.金具(蝶番)の取付け不良
これは他の要因とは違い明らかに作業者のミスです。
扉に取付ける蝶番は縦に5段(個)並べて取り付けることが多いのですが、これらの蝶番が真っ直ぐに並んで取付けられていないと先の「反り」の項のように、やはり蝶番がバネの働きをすることになります。
この蝶番の取付け不良は時々目にします。
が、目に見えてわかるほどの不具合が起きるまでには至っていないものも多いですね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
いずれの原因にしても、扉が勝手に開閉するととてもイライラするものです。
精神的にもあまり良くありませんので、このような現象があるようならお近くの専門家に確認・点検等をしてもらってください。
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仏檀修理アドバイザー
富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。
当サイトがお仏壇の修理や取り扱いに関することなどでお悩みのあなたのお力になることができれば幸いです。
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